■撮影の合間もお風呂に

——生田さん演じる三浦史朗は建築家。独立した途端、仕事に行き詰まり、亡き父が遺した実家の銭湯「まるきん温泉」をマンションに建て替えようと突然帰省する。実家を飛び出し気ままに生きてきた史朗に、弟の悟朗(濱田岳)は冷たい。ある日、ボイラーのボヤ騒ぎで悟朗が入院。銭湯の看板娘、いづみ(橋本環奈)の助言もあり、史朗は弟に代わって仕方なく店主として過ごすことに……。

小山:本音を言うと、生田さんと濱田さんが兄弟になり得るのか、とちょっと思っていたんです(笑)。似ていないと、お父さんが違うのではと思われないかと思って。でも、現場へ行って見たら、本当の兄弟のような感じがして、すごく良かったです(笑)。

生田:岳くんは僕のことを「お兄ちゃん」って呼んでいましたし、スタッフさんが準備する間に岳くんと一緒に(セットの)お風呂に入りっぱなしで、「昨日このラーメン屋へ行ったんだけどさ」みたいな雑談をよくしていました。この映画はお風呂が人をつないでいくというテーマですが、撮影現場ではそういうことがたくさんありました。

小山:僕が現場を見に行った時、ちょうど風呂場で史朗と悟朗がけんかするシーンだったんです。カットを割らずに撮っていたでしょう。タイルがツルツルして滑るだろうに、よく一発OKで撮れたなと感心しました。一番大変だった撮影は?

生田:この映画には本当に素晴らしい先輩方が出演されているんですが、最後の方で一堂に会するシーンがあったんです。長回しで、みなさん一言ずつセリフをおっしゃっていき、僕が一番最後。「誰か(セリフを)かんでくれ~」って心の中で叫んでいたんですが、きれいにパスが回ってきました(笑)。あれは久しぶりに緊張しました。

小山:そうだったんですね。

生田:はい(笑)。右に吉田鋼太郎さん、後ろには柄本明さんと小日向文世さんがいらして。緊張でヒリヒリしました。小山さんはどんな思いで脚本を書いていったのですか。

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