放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は大ヒットした「DA PUMPの『U.S.A.』」について。
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1年前の自分に「1年後は、インディーズ映画の『カメラを止めるな!』がとんでもない大ヒットを飛ばすんだよ」と教えてあげることができたら、かなりビックリするだろうけど、そういうことが起きる時代になったのか……と納得はするだろう。でも、それ以上に、1年前の自分に教えたら驚くこと。それは「1年後に、DA PUMPの『U.S.A.』って曲が大ヒットして、かなりのブレークをするんだよ」ってことだ。
DA PUMPは1997年にデビューしているから今年で22年目。2005年にメンバーのSHINOBUが道路交通法違反(飲酒運転)で活動謹慎。が、結局、06年に正式に脱退を表明。このあと3人体制で活動を続けたが、新メンバーを募集し、DA PUMPは9人組となった。正直、当時、これを聞いた瞬間、「どうしちゃったんだ」と思った方も少なくはないだろう。
結果、14年にKAZUMAが卒業したことで、旧メンバーはISSA一人、DA PUMPは7人体制となった。ここで、思う。僕はISSAさんとお会いしたこともないが、よく心が折れなかったなと。
意地なのか? それとも途中から入ってきた新メンバーへの思いなのか?
そして、今年、「U.S.A.」を発売。僕がこの曲を最初に知ったのは、ネットニュースで「MVがダサいけど、癖になる」的な記事を見つけたときだ。そこには哀愁とも言えるダサさがあった。だけど、耳に付くビート。口ずさめる歌詞。そのうち「ダサいけど、格好いい」と、流行り始めた。
例えば、この曲を売りたくて最初に「DA PUMP、みんなが一緒に踊れる最高の曲を発売」と出しても、僕はMVをチェックしなかっただろう。「ダサい」と言われて、「どんなもんなの?」と、なんだったら少しバカにするものを見るつもりで見た人も少なくないはずだ。だけど一度見ると、その中毒性にまんまとやられて、結果流行っていった。