北海道全域に及んだ大規模停電。復旧しつつあるが、今もエアコンや冷蔵庫が使えず、不便な生活を強いられている人は多い。こうしたときに、できるだけ快適に過ごすにはどうすればいいのか。「電気代0円生活」を実践する染織作家で、ソーラー女子のフジイチカコさんに極意を聞いた。
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フジイさんは東日本大震災をきっかけに、節電生活を始めた。2012年9月には電力会社との契約を解除。それからは必要な電力は自分でつくる、「電気代0円生活」を送っている。
一般的な生活では電気は不可欠のはずだ。でもフジイさんは、「電気がなくてもなんとかなるものは意外と多い」という。
まずは調理だ。お米やお肉など生では食べられない食材はたくさんある。
フジイさんは「ソーラークッカー」を使っている。太陽光を活用したコンロみたいなものだ。アルミのレジャーシートや段ボールなどで自作できる。
晴れていれば、お茶わん一杯ぐらいの米なら、1時間程度で炊ける。200グラムの鳥の胸肉なら1時間半程度で焼ける。ほかにも、おにぎりなどの温めや、湯沸かしもできるという。
カセットコンロなどが使えるなら調理の幅は広がる。ニンジンやジャガイモなど、火が通りにくい食材でも心配ない。やり方は簡単だ。食材を鍋に入れ5分ほど沸騰させたら火から下し、新聞紙に包んでから、さらに毛布で包む。そのまま20分置いておくと、火が通っているという。
「災害時に温かいものが食べられるだけで、精神的にも落ち着きます。家にあるものを工夫すれば、いろいろ簡単に調理できますよ」(フジイさん)
停電中に苦労するのは、やはり明かりだ。懐中電灯の使い方にもコツがある。フジイさんは照明のように上からつりさげるよりも、天井や壁に向かって光を当てた方がいいという。白色やベージュ色の天井や壁なら、光を反射し、部屋全体がほんのりと明るくなる。懐中電灯の周りに鏡など光を反射させるものを置くと、より明るくすることもできる。
懐中電灯がなかったり、電池が切れたりしたときは、身近なモノでオイルランプを作ることもできる。用意するのは、サラダ油といったどこの家庭にもある油。小皿やカップに油を注ぎ、キッチンペーパーなどでつくったこより入れて、火をつければいい。