そのルックスもさることながら、清水の演武は、これまで空手に興味関心がなかった人でもつい見とれてしまうものがある。元世界女王の宇佐美里香さん(32)は、清水についてこう評する。

「形というのは、ただ力強いだけでは相手にききません。彼女には力強さの中にしなやかさがあります」

 実は宇佐美さんは、清水より前に空手界の美女と知られた、元祖・空手美女。空手をしていると美しくなるのか、美しい人が空手をやっているのか……。宇佐美さんは、空手をやっている選手が美しく見える理由をこう説明した。

「形の選手だけでなく、組手の選手も皆、心から美しいと思います。そして、武道の選手は目力があります。無理やり表現しているわけではなく、内面からこう自然と出てきます。選手たちはキリッとした、凜とした美しさを、目指していますから」

 アジア大会の決勝では、清水の演武に、地元の観客も感動したのか拍手喝采だった。東京五輪では清水の演武に世界中の人が魅了されるのは間違いないだろう。(本誌・大塚淳史)

週刊朝日  2018年9月14日号