売却や賃貸について課題を聞いたところ、「リフォーム費用がかかる」「設備や建具が古い」「住宅が傷んでいる」といった回答が多く、空き家を持てあましている状況がわかる。
空き家の放置を続けると、最悪の場合、行政によって建物が取り壊される可能性もある。空き家は治安の悪化や防災上のリスクが高まるため、行政は対策を強化している。
国は空き家対策特別措置法を15年に施行し、危険な空き家を「特定空き家」に認定し、自治体が撤去や修繕などの助言や指導、勧告、命令を所有者にできるようにした。特定空き家に指定されると、固定資産税の住宅用地の特例から外されて家や土地にかかる税金が跳ね上がる。
撤去や修繕などの命令に違反すれば50万円以下の過料が科される。建物も「行政代執行」によって、強制的に撤去されることもあり得る。実際に代執行が行われたケースはまだ限られるが、今後は増えそうだ。(本誌不動産取材班)
※週刊朝日 2018年8月17-24日合併号