人生も後半に差し掛かってくると、将来の不安も増してくる。「いったいいくら貯金があったら、老後も不安なく暮らせるだろうか」
【図表】お金のプロ4人が指南!40代、50代、60代が心がけたい「破綻しないための対策」とは
「急に深刻な病気になったらどうしよう」「本当に自分たちは老後破産と無縁でいられるだろうか」
長い人生を不安なく生きていくためには、定年前から足元を固めておくことが大切だ。経済ジャーナリストの荻原博子さんは言う。
「いまはデフレの時代です。デフレのときに真っ先にやらなくてはいけないのは、投資よりも貯金よりも『借金の返済』。これが何より有効な資産保持の対策です」
まず40代に心がけてほしいのは、
「子供に教育費をかけすぎないことです。いまは本当に教育費が大変。子供を大学まで出すと教育費だけで1千万円くらいかかってしまいます。でもいまの40代は子供の習い事などにもお金をかけたがる人が多い。特に、団塊ジュニア世代の人たちですね」
親は団塊の世代。
「団塊の世代の人たちは『俺はよく働いたから今こんなに楽な生活ができるんだ』『おまえもできる』と言うけれど、それは日本がまだグローバル化されていなくて、年功序列で終身雇用、給料右肩上がりの時代だったからです。でも自分たちが『努力したから成功した』と錯覚している人が多い。そうすると団塊ジュニア世代も努力せざるを得なくなるわけです。『家は自分で建ててこそ一人前』『自分の子供も大学まで行かせて当たり前』と。けど、いまの40代が親の世代に植え付けられた固定観念のとおりに生きる必要なんて全然ありませんよ。いまはもう時代が違うのですから」
子供も、大学を卒業させれば「いい会社に勤められて一生安泰」なんてことはあり得ない時代。
「グローバル化して、雇用も流動化していますからね。予備校だ、家庭教師だと受験だけに躍起になるよりも、子供が本当に好きなことを伸ばしてあげて、それがそのまま職業に結び付くよう道筋をつけることのほうが大事だと思います」
実はカードローンで自己破産するのは、40代が一番多いという。