焼肉 明花
<br />東京都町田市原町田1−18−15/営業・18:00~22:00/休日・火 ※要予約(撮影/東川哲也)
焼肉 明花
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東京都町田市原町田1−18−15/営業・18:00~22:00/休日・火 ※要予約(撮影/東川哲也)

【北村さんおすすめ「タンと豆腐チゲ」の写真はこちら】

タンと豆腐チゲ
<br />外から見るとまるで個人宅。自宅兼店舗で44年間、家族経営を続けている焼肉店。牛肉は国産和牛を厳選。生のタンは先・中・根元で硬さが違うため「厚さの加減で食感を調節する」。豆腐チゲはたっぷりの自家製キムチ、自家製ナムル、そこに絹ごし豆腐が丸ごと1丁入る食べ応えのある一品。タン(1皿に4〜5切れ)1800円、豆腐チゲ1000円(税込み)
タンと豆腐チゲ

外から見るとまるで個人宅。自宅兼店舗で44年間、家族経営を続けている焼肉店。牛肉は国産和牛を厳選。生のタンは先・中・根元で硬さが違うため「厚さの加減で食感を調節する」。豆腐チゲはたっぷりの自家製キムチ、自家製ナムル、そこに絹ごし豆腐が丸ごと1丁入る食べ応えのある一品。タン(1皿に4〜5切れ)1800円、豆腐チゲ1000円(税込み)

 著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は俳優・北村総一朗さんの「焼肉 明花(みょんふぁ)」の「タンと豆腐チゲ」だ。

*  *  *

 初めて行ったのは今から30年ほど前。当時は新婚でしてね(笑)。相模大野(神奈川県)の駅前に新居を構えたばかりでした。初めての町を散策してみようと、ある夜妻と出かけたんですが、土地勘がないもんだから、住宅街に迷い込んだ。そこで偶然、見つけたんです。

 何より鮮烈だったのはタンでした。当時、僕らが食べるタンといえば、大抵が冷凍もので薄切り。高級店なら違ったのかもしれませんが、あんなに分厚くて、しかも冷凍じゃないタンなんて初めて食べました。歯ざわりはサクッと、で、驚くほどやわらかでジューシー。それにこの豆腐チゲ! これは店を切り盛りしているお母さんの家庭料理なんです。自家製キムチの辛みと香ばしさを豆腐がしっかり受けとめて、実にご飯に合う。

 今は息子さんたちの代になったし、僕も引っ越して近所ではなくなりました。でも、人生の晩餐といえば? と聞かれたら、やっぱりここ。結婚して初めて妻と訪れた店で、思い出をかみしめたいですね。

(取材・文/浅野裕見子)

「焼肉 明花」東京都町田市原町田1‐18‐15/営業時間:18:00~22:00/定休日:火 ※要予約

週刊朝日 2018年7月13日号