「紀州のドン・ファン」こと実業家の野崎幸助氏(77)が急性覚醒剤中毒で怪死した事件は、ミステリー小説さながらの展開となっている。家宅捜索を受けた55歳年下の美人妻は無実を訴え、和歌山県警は野崎氏の愛犬の死骸まで押収。デヴィ夫人も参戦し、“1億総探偵”状態だ。
本誌が入手した死体検案書では野崎氏の死亡推定時刻は5月24日午後9時頃となっていた。当日、野崎氏が亡くなる数時間前、電話で話をした元従業員はこう証言した。
「社長は元気な声でした。6月11日に和歌山のホテルで開く予定だった愛犬イブちゃんの告別式の件をとても気にかけていました」
野崎氏が「全財産を相続させたい」と言うほどかわいがっていた愛犬は5月6日、突如もがき苦しみ怪死。野崎氏の死のわずか18日前の出来事だった。
「告別式の出席者の飛行機、宿泊先の手配をし、デヴィ夫人やテレビのワイドショーのクルーも呼びたいと言っていた。必要経費はいくらかかるのか聞かれました。自殺はあり得ない」(元従業員)
だが、そのわずか数時間後、野崎氏は自宅2階で怪死。1階には妻(22)と家政婦(66)がいたが、その死因は「急性覚醒剤中毒で通常、注射などで打つ量よりはるかに多い」(捜査関係者)ことから、和歌山県警が殺人容疑を視野に動き出した。死の翌日、駆けつけた知人がこう証言する。
「社長が亡くなったのに、妻も家政婦も従業員も大笑いしていた。社長は生前、50億円の遺産があると豪語していたので、死んでバンザイという感じでした」
野崎氏は資産家として知られる。自宅は約150坪。1階はリビングや風呂。2階にはソファ、ダブルベッド、風呂、サウナなどがあった。ただ、2階には加齢臭が漂っていたという。
「社長は時々、オムツをしていたと思います。年のせいで年中、大も小もオムツに漏らした」(元従業員)
野崎氏は第一発見者となった妻と今年2月、3度目の結婚。だが、夫婦仲はすでに冷え切っていたようだ。