「妻は『あんな部屋には上がりたくない。車で漏らしたときは臭いがたまらない』と言っていたことがあります。妻は東京に別宅のマンションを持っており、和歌山で100万円の小遣いをもらうと、『モデルの仕事があるから』と東京に帰ってしまう。そのたびに社長は悲しそうでしたね。結婚して4カ月たちますが、実質2カ月くらいしか和歌山にはいなかったはずです」(同)

 妻の別宅である東京都新宿区のマンションは6月2日、被疑者不詳の殺人容疑で家宅捜索された。

 野崎氏は婚姻届を出した後の3月、地元の「鬪鶏神社」で結婚式を挙げるつもりだったが、キャンセルしていた。

「妻が『結婚式をやめてくれないと、私は離婚するから』と言い出したんです。やはり、55歳の年の差があり、相手はおじいさんなのに親族、友達の前で挙式するのはためらいがあったのかもしれませんね。野崎氏は常々、一緒に暮らしてくれる女性を望んでいました。寂しさから別の女性に手を出し、2人の間では別れ話も出ていたようだ」(別の元従業員)

 札幌市の妻の実家を訪ねると、3階建ての豪邸で、祖母の家も同じ敷地内にあった。両親を直撃すると、「(娘から連絡は)ありません。体調も悪いので……」「ノーコメント」と言葉少な。妻の両親は結婚について寝耳に水だった。

 本誌は生前、野崎氏を何度か取材したことがある。本誌が野崎氏と出会ったのは1998年、和歌山カレー事件のとき、取材先から紹介されたのが縁だった。その後も何度か会い、10年ほど前には大阪の北新地の高級クラブで野崎氏がホステスを懸命に口説いている現場も目撃した。

「あんたのためにこの鞄に金、詰めてきたんや」

 ホステスにフラれた揚げ句、50万円ほどを支払った野崎氏は「金の使い方が足りん」と話していた。著書『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』の取材で2016年末、東京・恵比寿のホテルで会ったこともある。かたわらには妻ではない、身長170センチ以上ある20代のスレンダーで髪の長い女性がいた。

暮らしとモノ班 for promotion
2024年この本が読みたい!「本屋大賞」「芥川賞」「直木賞」
次のページ