舘:袋とじもそうでしたし、弁当の鮭を「こんなに薄いのか」と驚く場面なんかもですね。コメディーの要素の中でも、笹野(高史)さんのカツラは秀逸でした。
内館:あれはいいですね! 私は最初、単に笑いを取るためだけにかぶせているのかと思ったんですよ。
舘:あのカツラに、男のプライドというか、背負ってるものが全部込められているんですよね。「素の自分に戻る」という象徴としてずっとかぶってて、最後に外した(笑)。
内館:これだったのか!って思いました。そしてみんなで、さんさ踊りを踊る。いいシーンでしたねぇ……。舘さん、盛岡ロケはどうでしたか?
舘:お墓参りをして、お袋にいつでも帰ってこいと言われるシーンが印象的でしたね。岩手山が美しくて。
内館:舘さんも、故郷の愛知が近づいてくると、やっぱりワクワクするもの?
舘:僕は地元に帰るといつも、高校のラグビー部の連中と会うようにしているのですが、最初は標準語で話しているのが、時間がたつうち、いつの間にか名古屋弁になっているんです(笑)。その世界に戻っている自分が楽しくて。