各地の年金事務所には相談窓口がある。電話で予約して行くとスムーズだ
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現役世代は毎年送られる「ねんきん定期便」をよく見る(週刊朝日 2018年5月25日号より)
現役世代は毎年送られる「ねんきん定期便」をよく見る(週刊朝日 2018年5月25日号より)
自衛のための主なポイント(週刊朝日 2018年5月25日号より)
自衛のための主なポイント(週刊朝日 2018年5月25日号より)

 庶民にとって老後の支えとなる年金。保険料を納めればきちんともらえると信じているあなた。今回、国のミスやわかりにくい手続きのせいで、約130万人分が「過少支給」されていたことを知っていますか。「消えた年金」の問題も、いまだに約2千万件が未解明のまま。もはや国は信用できない。まだ年金をもらっていない現役世代も自分の年金がごまかされないよう、自衛するしかないのだ。

【見本】毎年送られる「ねんきん定期便」をよく見てみよう!

 毎年1回、誕生月に「ねんきん定期便」が送られてくるはずだ。それまでの年金加入期間が、国民年金や厚生年金の種類ごとに記載されている。その合計が「年金加入期間」になるので、漏れがないかよく見よう。

 通常のねんきん定期便には、合計の年金加入期間しか記載されていないが、35、45、59歳の節目のときには「これまでの年金加入履歴」が届けられるので、より詳しいことがわかる。

「現役世代は履歴に空白期間がないかをチェックする。会社に勤務していたはずなのに、空白期間があったら、記録が漏れている可能性があります。転職したり、会社を辞めて独立したりした人は危険性が高い」(年金問題に詳しく「年金博士」とも呼ばれる社会保険労務士の北村庄吾氏)

 特に目をこらさないといけないのが、基礎年金番号が統一された1997年より前の加入履歴だ。それ以前に転職などをした人は、会社を変わるたびに異なる年金番号で管理されていた。統合されていない記録が残っていることも考えられる。

「消えた年金」は今も2千万件ある。自分が払った保険料が“宙に浮いたまま”にならないよう、疑問点があれば機構に連絡して、調べてもらう。

 社会保険労務士の大東恵子氏は、転職前後で支払った保険料がどう変わったかを見てほしいという。

「転職後のほうが給料が高かったはずなのに保険料が少なければ、記録が間違っていることが想定されます」

 ねんきん定期便では、月ごとの保険料の納付状況もわかる。自分が毎月いくら納めているかを知っておこう。給料が上がるなどの理由がないのに保険料が変動すれば、問い合わせる。転職の前後では、年金の切り替えがうまくできず、空白期間が生じる恐れがある。

 年金記録や将来受け取る見込み額の情報を提供する「ねんきんネット」のサービスもある。基礎年金番号がわかれば、機構のホームページから登録できる。パソコンやスマホでいつでも見ることができるので便利だ。

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