草上の昼食 クロード・モネ 1866年パリの南にあるフォンテーヌブローの森にピクニックにやってきた若者たち。当時の最新ファッションに身を包み、優雅なひとときを楽しんでいます。モネの60年代の代表作で、モデルの女性は恋人のカミーユ、男性は友人のバジールと思われます(三浦篤教授)
草上の昼食 クロード・モネ 1866年
パリの南にあるフォンテーヌブローの森にピクニックにやってきた若者たち。当時の最新ファッションに身を包み、優雅なひとときを楽しんでいます。モネの60年代の代表作で、モデルの女性は恋人のカミーユ、男性は友人のバジールと思われます(三浦篤教授)
「プーシキン美術館展」スペシャルサポーターの俳優・水谷豊さん
「プーシキン美術館展」スペシャルサポーターの俳優・水谷豊さん

 フランス絵画のコレクションで有名なモスクワのプーシキン美術館から、風景画65点がやってくる。その魅力を俳優の水谷豊さんが紹介!
また、クロード・モネやポール・セザンヌなど巨匠たちの注目作品をピックアップ。カンバスに描かれた大都市パリやその郊外、そして想像の世界へ旅してみては?

【フォトギャラリー】風景画でめぐるフランス

◇水谷豊「旅の魅力を感じさせてくれる」

 展覧会のテーマは「旅するフランス風景画」。普段は気がつかない、光や風の新鮮さを感じることができるのも、旅の魅力です。

 パリにはロケなどで何度か訪れました。初めてシャンゼリゼを歩き、凱旋門に上ったときは感動しました。夏でも冬でも、どこを歩いても飽きない街でした。当時の感動を思い出して、ふとまた行きたくなる。今回登場する画家たちにとっても、パリには作品に残したくなる何かがあるんでしょうね。

 いちばん見たいのは、やはりモネの「草上の昼食」です。モネが印象派として花開く前の作品だということが興味深い。友人たち、画家たち、後に妻になるカミーユさんが絵の中に描かれている。当時モネは26歳。青春まっただ中の、みずみずしい感性が見られるのですから、これは楽しみです。

モスクワにあるプーシキン美術館には2013年に行きました。人々の生活のなかに、この美術館があって、うらやましいと思いました。そんな美術館が東京と大阪に来てくれるというのは、すごくうれしいことですよね。

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その他の見どころを三浦篤東京大学教授が解説!

■庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰(ピエール・オーギュスト・ルノワール 1876年)
パリ郊外、モンマルトルにあったダンスホールの庭の木陰で、男女が親密に語らう光景が描かれています。当時、パリに住む若い人たちはこのように週末を楽しんでいました。ルノワールの描く典型的な優しい色使いの作品で、当時のパリの熱気が伝わってきます。登場人物はルノワールの友人たちと思われます(三浦篤教授、以下同)

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