貴公俊(左)と握手をする貴乃花親方(c)朝日新聞社
貴公俊(左)と握手をする貴乃花親方(c)朝日新聞社

 大相撲春場所の支度部屋で貴乃花部屋の十両、貴公俊(たかよしとし)が付け人の力士に暴力をふるった問題で、師匠の貴乃花親方は19日、「深刻な問題。どんな理由があっても暴力はあるまじき行為」と事実を認めた。

 その後、貴乃花親方は大阪府内で開かれた日本相撲協会の臨時役員会合に出席し、経緯を説明し、貴公俊関の休場を届け出た。殴られた付け人の力士は出場を続けるという。

 貴公俊の暴力を目撃した同部屋関係者がこう語る。

「急に『こら』とか大声がして振り返ると、貴公俊が付け人の顔面を最初は平手、次第に興奮してグーでも殴っていた。支度部屋は静まりかえり、付け人は必死で頭を下げ、謝っていたがおさまらず、『お前のせいで、遅れてしまった』と貴公俊は怒り狂っていた。付け人の口から流血、タオルやティッシュで抑えていた。取り組みにあわせて力士を呼ぶが、付け人がそれに遅れたことが原因です。貴乃花部屋は関取が増え、付け人の数が足りず、手が回らない状況で起こってしまったようだ。貴公俊は皆が見ている前でやったので言い訳もできない状態ですよ」

 昨年秋以降、日本相撲協会を揺るがし続けた暴力問題は見事に貴乃花部屋へブーメランした恰好だ。

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以前から暴力問題を指摘する声が…