今夏の再登場が楽しみな、東京産の野菜たっぷり「野菜を主役にしたカレー」
今夏の再登場が楽しみな、東京産の野菜たっぷり「野菜を主役にしたカレー」
最強レトルト系カレー“七”福神(週刊朝日 2018年3月23日号より)
最強レトルト系カレー“七”福神(週刊朝日 2018年3月23日号より)

 鍋でまとめて作るのが「家カレー」の定番だが、どうやら1人分の量を温めるレトルトカレーが席巻しつつあるようだ。便利なだけでなく、味も見事とあれば、その訳もよくわかる。それでは七つのレトルトカレー“七”福神を紹介しよう!

【最強レトルト系カレー“七”福神をご紹介!】

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「3分間待つのだぞ」

 1970年代、子連れ狼に扮した笑福亭仁鶴が出演したCMが大人気となった「ボンカレー」。68年に世界初の市販用レトルト食品として登場してから半世紀。女優松山容子がほほ笑む懐かしいパッケージと味わいを再現した50周年記念商品「ボンカレー50」が、3月5日から発売され、売れ行きも好調だ。

 アルミのパウチをお湯に入れ数分間。近年はレンジ対応の商品も増えた。封を切ればすぐ立ち上る芳醇(ほうじゅん)なスパイスの香りに、食欲がわきおこる。

 鍋でまとめて作るカレーよりも、1人分の量を温めるだけですぐに味わうことができ、自分好みの味もよりどりみどり。実は少子高齢化、単身者の増加など、今の時代にぴったり寄り添う商品なのだ。

 鍋で作る家庭用カレールーの消費量をレトルトカレーが上回ったというデータを発表した調査会社もある。カレーを研究し、商品開発にも参加する「カレー総合研究所」の井上岳久所長によると、レトルトカレーの市場は、ここ数年、拡大を続けている。

「かつてのレトルトカレーには、いわゆる“レトルト臭”を感じるものもあり、便利なだけでおいしくないととらえていた方もいたと思います」(井上所長)

 あるきっかけがレトルトカレーのすそ野を広げることになったという。「東日本大震災です。被災地以外でも、一時的に食品が品薄になりました。そのときに『仕方なく』レトルトカレーを食べてみると、『おいしいじゃないか!』と」

 肉や魚介、野菜など各地の名産を具材に取り入れる「ご当地カレー」なども含めれば、現在2千種類を超えるレトルトカレーが市場に出回っているという。

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