大関取りの足固めをしたい栃ノ心は余裕の表情?(c)朝日新聞社
大関取りの足固めをしたい栃ノ心は余裕の表情?(c)朝日新聞社

 元横綱日馬富士の一件以来、土俵外のゴタゴタが続く大相撲。件の暴行事件は、被害者の貴ノ岩の師匠である貴乃花親方の常識では考えられない対応が波紋を呼び、貴乃花親方のインタビューを日本相撲協会に無許可で放送したテレビ朝日に無期限の出入り禁止処分が科されるなど、当事者以外に影響が波及する展開となっている。

 片や、1月に無免許運転で追突事故を起こし、道路交通法違反の罪で略式起訴された大砂嵐。3月9日の理事会で処分が協議され、解雇もあるという。

「(師匠の)大嶽親方は大砂嵐が勝手に結婚したことを『許してません』と言っていたし、無免許運転をかばう理由がない。事故を起こす前から、やる気がない、と言われていて、格闘技転向のうわさもありましたけど、曙や把瑠都の例をみれば難しいことはわかるでしょう」(ベテラン記者)

 独り相撲とは、まさにこのことか……。

 ところで先場所、主役のはずの横綱たちがそろってパッとせず、その間隙(かんげき)を縫うように14勝を挙げて平幕優勝を飾ったのが栃ノ心。その後の日本大相撲トーナメントでは、白鵬にも勝って初優勝を飾ったが、大阪場所はどうなるのか。大関昇進の目安は3場所で33勝。大阪場所で2桁勝つと、5月の東京場所での大関取り挑戦が見えてくる。

「地力があるし、その可能性は高いですよ。ギリギリ8勝で勝ち越しなんてことにはならないと思います」というベテラン記者の発言は、対戦相手を考えてのこと。まず、高い壁になるはずの横綱陣のコンディションが万全ではない。

「白鵬はまだ左足の親指に不安がある。4場所連続休場明けだった初場所に11勝を挙げ、進退問題を乗り切った鶴竜も、終盤の4連敗は左足甲の痛みがあったからだそうで、初場所直後に内視鏡での遊離軟骨除去手術を受けてます」

 そして、次に出場する場所に進退を懸ける覚悟を口にした稀勢の里。出場か否かが注目されるが「様子見では……。栃ノ心の連続優勝だって、ないとは言いきれませんよ」(同前)。

(本誌・黒田 朔)

週刊朝日 2018年3月9日号