■旅、自然

 海上自衛隊の砕氷艦長に憧れていた男性公務員(49)は、南極生活を送りたいため、現地から「南極授業」を行う教員派遣プログラムに応募しようか、思案する。日本の海岸線を歩きたい都内在住の男性会社員(44)は日本海側出身で、海に縁がある暮らしをしてきた。「歴史に興味を持ち始めると、海が織りなす地域の表情が伝わってくる気がするから」と語る。また、地方から都会に出てきた企業アナリスト(42)はログハウスやツリーハウスを建て、温泉を掘り、農園や民宿を経営するプランがある。激務だった警察人生を終え、故郷鹿児島で悠々自適の生活を送る男性(62)は、日本ミツバチを飼い、日々の身近な楽しみを探している。大規模な山林を持つ会社経営の男性(67)は、開墾して農園や施設をつくり、生活苦の人々らに開放したい考えだ。

■自分探し

 東京都の公立小学校の校長(52)は、ミュージシャンになりたい夢を捨てきれず、現在も作曲を続けている。「新しいシンセサイザーを買いたい」とせがまれる妻(49)は苦笑いを浮かべるが、「驚くほど働いているのに、楽しんでいて、趣味もどっさり。子どもたちも感心している」。天文学者になりたかった税理士の男性(69)は、ニュージーランドの天文ツアーに参加したいという。子どものころ、木の上から見上げた青い空と白い雲に惹かれ、「銭湯の帰りに空を見上げると、冬はオリオン座が鮮やかに見えた」。そのころから宇宙に関心があった。今でもNASA発信の航空写真を見ると思い出すという。「馬頭星雲の写真なんて見たら最高」

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