怒りを蓄積しながらも沈黙を貫く貴乃花親方は、何をしようとしているのか。

 高野山別格本山清浄心院住職の池口恵観氏は、貴乃花の支援者の一人だ。「炎の行者」の異名を取り、阪神タイガース監督の金本知憲氏なども信頼を寄せることで知られる。貴乃花親方についてこう語った。

「貴ノ岩は自身の部屋から出した初の関取で、一番かわいがっていた弟子。ケガをさせられた怒りは相当なもので、協会に対してかたくなになるのも無理はない。親方からは『自分の道を貫きたい』という趣旨のメールをもらったので、私も応援したいと思っています」

 池口氏が貴乃花親方からメールを受けたのは11月末。こんな書き出しだった。

〈“観るものを魅了する”大相撲の起源を取り戻すべく現世への生まれ変わりの私の天命があると心得ており、毘沙門天(炎)を心にしたため己に克つを実践しております。国家安泰を目指す角界でなくてはならず〝角道の精華〟陛下のお言葉をこの胸に国体を担う団体として組織の役割を明確にして参ります〉

「生まれ変わり」や「国体」などの言葉遣いから、貴乃花親方の独特の世界観がにじみ出ている。

 続いて、現在の自分が置かれている状況については、次のように言及した。

〈今の状況、若い頃から慣れております。報道とは民衆が報われる道を創るのが本分であると思いこれまで邁進してきております。

 角道、報道、日本を取り戻すことのみ私の大義であり大道であります〉

 メールには今後の具体的な行動については書かれていなかったが、前出の後援者がこう語る。

「親方は『自分に処分があるのは覚悟している。ただ、加害者の処分など他の対応もきちんとやってほしい』と周囲に話しています」

* * *
(池口氏が貴乃花親方から11月末ごろに受け取ったメールの全文)

“観るものを魅了する”大相撲の起源を取り戻すべくの現世への生まれ変わりの私の天命があると心得ており、毘沙門天(炎)を心にしたため己に克つをを実践しております

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「国体を担う団体としての組織の役割」と決意