「実は、22年前の1995年にも米軍のヘリが不時着したことがありました。今回の現場から100メートルくらいしか離れていない隣の牧草地でした。その牧草地の先は海岸で、100メートルくらいの高さの崖になっています。米軍のヘリは低空飛行していて、崖にぶつかる直前に急浮上して、不時着したのです。ヘリの操縦士は『崖にぶつかるところを命拾いした。申し訳なかった』と言っていた。いつか事故が起きるのではないかと思っていました」

 やんばる地方の、特に米軍北部訓練場(国頭村・東村)のある太平洋側の海岸はビーチが少なく、切り立った崖が多い。こうした地形を利用して、現場周辺では米軍ヘリによる危険な訓練が常態化しているというのだ。

 在日米軍基地問題などに取り組む沖縄県平和委員会の大久保康裕さんはこう指摘する。

「米軍ヘリは、最北部の国頭村のほうからずっと低空飛行しています。地形追随飛行といって、絶壁の海岸や山肌に隠れながら飛行して、敵のレーダーに引っかからないようにすることを想定した訓練を行っているのです。敵の視界から隠れてローター音が聞こえないようにしながら一気に現れ、敵の陣地を強襲することを仮定しています。戦場にも高江のように集落がありますから、米軍としてはそこを行き交うことで非常にリアルな訓練ができるというわけです。海岸からの吹き上げの風も予測されますし、民家の上空で危険きわまりない飛行をしているのです」

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