不時着に炎上した米軍ヘリ (C)朝日新聞社
不時着に炎上した米軍ヘリ (C)朝日新聞社
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 沖縄本島北部の山原(やんばる)地方の太平洋側を走る県道70号からは、海上を何度も飛来する米軍ヘリやオスプレイの姿が確認できる。この一帯の空域および海域は、米軍機の訓練場と化しているのか。

 東村高江の県道沿いの牧草地に、米軍の大型輸送ヘリCH53Eが不時着、炎上したのは10月11日夕方のこと。事故当時、近くの畑で作業していた地主の西銘晃さん(64)は、爆発音とともに激しく米軍ヘリが激しく燃え上がる光景を目の当たりにした。

 西銘さんは表情をこわばらせながら語る。

「事故が牧草を刈り取る前だったので、まだ被害が少なくて済んだと思います。刈り取って天日干しにしている状態だったら、全部燃え上がっていたはずです。現場の牧草地は2ヘクタールありますので、延焼してこの辺り一帯も大火事になっていたところです」

 それでも、牛やヤギの飼料用の牧草を売って生計を立てている西銘さんの損害は大きい。今回の収穫ばかりではなく、半年間ほどは原状回復の目途が立たない状態だという。

 西銘さんが続ける。

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