丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日大で活躍、アマ37冠で92年にプロ入り。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制している(※写真はイメージ)
丸山氏が、松山選手、石川選手について語った(※写真はイメージ)
プロゴルファーの丸山茂樹氏が、松山英樹選手の調子、石川遼選手が米ツアーのシード権を逃したことについて語った。
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男子ゴルフの世界選抜(ヨーロッパを除く)と米国選抜の団体対抗戦「プレジデンツ・カップ」(9月28日~10月1日、米ニュージャージー州ジャージーシティのリバティ・ナショナルGC)は、今年もアメリカの圧勝でした。これで7連覇です。
世界選抜で出た松山英樹(25)は、ダブルスでは勝てませんでしたけど、最終日のシングルスのマッチプレーでは米PGAツアー年間王者のジャスティン・トーマス(24)に3&1で勝ちました。
僕は大会前の練習ラウンドだけ見て日本に戻ったんですけど、英樹の状態はすごくよかったですよ。「一番悪い状態のところからは抜け出せた気がします」と言ってましたんで、シングルスの勝負ではしっかり力が出せたんだと思います。
ダブルスは相棒もいることなんで、勝つには二人のプレーがかみ合わないと難しいってのがあります。実際、英樹も結構曲げてましたし。周囲の人の話では、ダブルスでは力が入りすぎてたみたいですね。でも最終日のシングルスでは、1番ホールからものすごくいい球を打っていけた。いい終わり方ができました。
「CIMBクラシック」(10月12~15日、マレーシアのTPCクアラルンプール)から、英樹の2017‐18年シーズンが始まる予定です。ここへ出場するなら、去年は最終日に優勝争いをしながら届かなかったんで、その屈辱を晴らせるような試合にできたらいいですね。
13年からアメリカを主戦場にしてきましたけど、ここで一回リセットするのがいいと思いますよ。自分を見つめ直す、いい時間ができたと思えばいい。原点に戻ってゴルフをつくり直せばいいんですよ。本人は来シーズンどうするかは未定と言ってますけど、ここは日本に軸足を置いて、日本ツアーがない時期は来年1月から始まるアメリカの下部ツアーに出て、ならしていけばいい。下部ツアーの出場資格は手にしてますから。ここで来シーズンの賞金ランク25位以内に入れば、18‐19年シーズンのツアーカードがもらえますしね。
本人は「自分の技術に自信を持てなくなってた」「米ツアーでやる資格はない」なんて言ってるみたいですけど、まだ26歳なんですから。先もいっぱいありますよ、慌てなくてもいいんじゃないですか?
同学年の松山英樹というプレーヤーがアメリカで大きなステップアップを遂げたのを目の当たりにして、当然、遼にとっては悔しい思いもあると思うんですけど、それはそれとしてね。もう一回再ブレークして、PGAツアーで勝つようなゴルフができるかもしれないんだから。まだまだ捨てたもんじゃないですよ。まずは10月12日に開幕する日本オープン選手権(岐阜関CC東コース)に出るそうですから、新たにどんな一歩を踏み出すのか楽しみにしてます。
※週刊朝日 2017年10月20日号
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