「合流」に前向きだった民進党幹部もため息をつく。
「当初は民進の一部は無所属でやれればいい、という話になっていたが、小池氏が『排除』とか言い出してややこしくなった。特に小選挙区に強い岡田克也氏、安住淳氏、長妻昭氏、赤松広隆氏、辻元清美氏などまで外したのは痛い。小選挙区で票をとるから比例も伸びるのに、戦略もなく『希望の独自候補を増やせ』と、ねじ込んできた。あれで50議席は減らしたよ」
追い打ちをかけたのが、民進党からの合流組に公認の条件として署名させた「政策協定書」の内容にブーイングが続出したことだ。
当初の協定書(その後、一部改訂)には〈憲法改正を支持すること〉という項目があるが、憲法改正の具体的内容は示されていない。〈党の指示する金額を党に提供すること〉と“上納金”を求めるような記述もあった。金額は明示されていないが、「供託金とは別に前職は200万円、新人は100万円以上の上納を要求された」(希望の党から出馬予定の候補)という。
さらに〈希望の党が選挙協力の協定を交わしている政党への批判は一切行わない〉など、言論統制のような項目もあった。
「当初は若狭勝氏、細野豪志氏などが候補者の選定に当たっていたが、リベラル派はダメだ、安保・改憲が大事などと言い出し、協定書を持ち出した。サインする、しないで大モメになり、モタモタして公認が増えず、玄葉光一郎氏が加わり、やっと進みましたが、マスコミの餌食ですよ」(前出の民進党幹部)
混乱の大きな原因が希望の党の事務局の脆弱さだ。いまだに党本部と呼べる事務所すらなく、広報などを担う専従スタッフもいない。党の役員も未定なので、指揮命令系統も不明確だ。
「小池さんの脇を固めるのは大手新聞社政治部出身者やジャーナリストなどで、候補者の面接や名簿作りも手伝っていた。事務方には他に旧みんなの党系秘書や日本のこころ系秘書が入っているが、民進系のスタッフはなかなか入れない。希望の党は毎日がジェットコースター状態です。方針がコロコロ変わる」(同)