「実は小池さんが出馬すると戦略的に発言するよう党から指令があった。都知事を投げ出したら、批判されるので、本音では彼女は出ないと思う。非自公で過半数取れるほど候補者がいないしね」(政府筋)
日本最大の保守系右派団体「日本会議」は小池氏につくのか。会長で国際政治学者でもある田久保忠衛氏は本誌に「選挙戦にかかわりはしない」と前置きした上で、こう話した。
「安倍首相のほうが国際情勢に対する対応や志に明らかに大義がある。小池氏から現在の北朝鮮有事、超大国・米国の凋落により中国が世界的影響力を広げようとしている現状への危機意識や対応について何のビジョンも聞かれない。小池氏は頭でなく勘で勝負に出ているだけ。寄せ集めの野合集団に一体何ができるのか? テレビ向きのレベルの低い発想では馬脚を現すのは目に見えている」
自民党関係者はこう票読みする。
「期待感以上に伸びないのでは。共産党と決裂して原則対抗馬を立てられるのも痛いはず。小池氏の誤算は希望の党の代表になることを都政で連携する公明党に事前に伝えず、怒らせたこと。今回は票を回してもらえない。現在のトレンドでは小池氏出馬想定で東京、大阪、愛知、北海道は自民4対希望6(非自含む)。千葉、神奈川、埼玉3県は自民3対希望7。その他の地域は6対4で自民優勢です。ざっくり自民50議席減で公明と合わせ国会運営の主導権が握れる絶対安定多数(261議席)ギリギリというところ。希望は120~140議席になるのではないか」
小池氏が都知事の座をなげうって出馬しても自公の過半数割れ、希望の党を中心とした野党で過半数に達しなければ「野党第1党の党首に過ぎず、小池氏の女性初の首相の野望は一気にしぼむ」(自民党幹部)。
政府関係者によれば、小池氏はその場合の保険として自民党内に“分断工作”をしかけているという。
「小池さんのターゲットは石破茂元幹事長とその派閥、野田聖子さん。携帯に電話をし、直に説得しているようです。石破さんも迷っている。安倍退陣になれば党を割らなくても首相の椅子は転がり込むので、石破さんは簡単には乗らないとは思うけど……」
(本誌・村上新太郎)
※週刊朝日 2017年10月13日号