乳脂肪には脂溶性のビタミンやカロテンも含まれる。さらに、牛乳は大豆や卵などよりも、筋肉をつくるスイッチを入れる分岐鎖アミノ酸「BCAA」が多い。筋肉がつけば体重も落としやすくなる。牛乳を上手に食生活に取り入れると、間接的にダイエットにつながるのではないか。
「アイスでダイエット、可能ですよね!?」
箸本さんに聞いてみた。すると、「アイスクリームを食べると太る、とあまり心配しすぎなくてもよいでしょうね。常識の範囲内なら、ですが」とのお答え。
食品機能化学に詳しい玉川大農学部の八並一寿教授にもアイスのことを尋ねると、乳酸菌入りのアイスがおすすめ、と教えてくれた。
腸内環境を整えられるから、便秘に悩む肉食女子は肉を食べた後のデザートにアイスを選ぶとよい。「アイスを食べて、と言って嫌がる人は、そういないでしょうからね(笑)」と八並教授。ダイエットに良いかどうかも、ズバリ聞いた。
「ほかのスナック菓子と違って、少量で満足できて食べすぎを抑えられますから、その意味ではいいでしょう。冷たさは心地よい脳への刺激になりますしね」
なるべく小さくておいしいアイスを選ぶのが満足度を高めるポイントという。
アブラに詳しい麻布大生命・環境科学部の守口徹教授は「冷凍庫から出してすぐにスプーンですくえる滑らかなアイスには要注意です」とアドバイスする。
滑らかにすくえるのは、たいてい植物油が入っているから。過剰に摂取すると、動脈硬化を引き起こすとも指摘されている。だから、守口教授のおすすめは「植物油が入っていないアイス。これなら、健康志向が高くなります」。
乳脂肪分が高いアイスの多くは植物油を含まない。ただカロリーは若干高め。カロリーをとるか、アブラの質をとるかは悩ましい。
スーパーなどに並ぶラクトアイスは、乳固形分が少なく植物油が使われている製品が多い。ただ、アイスクリーム流通新聞社の山内洋行・編集次長は「メーカーは健康を意識した商品を展開しています。今後も健康志向のアイスは、注目のカテゴリーです」という。
明治が3月に発売した「明治 デザートプラス more(モア)」シリーズは、ヨーグルト仕立てのアイス。脂肪ゼロなのにこくのある味わい。健康意識の高い40~60代の男女に調査し、「おいしくて我慢しないで食べられるアイス」のニーズが強いことがわかり、開発した。