前出の檀家総代の男性は、寺を残したい思いはあるが、なすすべがなく頭を抱えている状態だ。
「檀家の皆さんに修繕費の寄付をお願いしたくても、集まらない。昔なら寺を支える家として無条件で出してもらえたものが、今では『なぜ出さなければならないのか』となってしまうんです」
寺の規模を縮小し、小さなお堂を建てる計画もあったというが、金銭面で折り合いがつかない。
「どうしたら寄付を募れるのか教えてほしいですよ。寄付のお願いで檀家の皆さんと話していると、信仰心が薄れてきているのを感じます。お寺の経営が苦しくなるのは信仰心の希薄化が理由ではないでしょうか」
※週刊朝日 2017年6月30日号