プロゴルファーの丸山茂樹氏は、東京オリンピックのゴルフ競技についてこういう。
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6月9日、国際オリンピック委員会(IOC)の臨時理事会で、2020年東京オリンピックの競技種目が決まりました。
ゴルフは去年のリオデジャネイロ大会と同じで、男女各60人によるストロークプレーの個人戦に決まりました。開催地の決まってない24年大会でもゴルフが残るってのはいいニュースだったんですけど、個人戦の継続には、「何だよ」って感じです。
この連載でもお伝えしたように、リオに続いて東京大会でも僕が日本のヘッドコーチを務めるのが決まったときに話し合って、日本として国際ゴルフ連盟に団体戦へ切り替える提案をした訳です。普段のツアーと同じ個人戦より、団体戦のトーナメントでやった方が、ファイティングスピリットが出るし、見てる人も楽しいはずなんです。僕自身、ワールドカップなんかで団体戦のアツさ、盛り上がりを体感してるだけに、個人戦は終わりにしてほしかった。
でもIOCは選手へのアンケートでも個人戦派が優勢で、また、リオが大成功だったからそのままでいいと判断したようです。何だかなあ。仕方ないな。
ヘッドコーチといっても、リオでは試合が始まるとほとんど何もできなかったんです。コースとギャラリーを仕切るロープの少し内側までしか入れなくて、ほとんど選手と話ができない。もう単なるギャラリー状態です。選手に近づいてアドバイスできないなら、ヘッドコーチの仕事なんかできないですからね。また仕事がないんじゃないかと不安に駆られます。このへんはまだ決まってないようで、要望を出していこうと思います。
話は変わりまして、陸上の男子の100メートルが盛り上がってますね。6月10日に20歳の多田修平君が9秒94で走って。これは追い風参考でしたけど、この日の次のレースで10秒08を出したんですよね。ニュースで彼の走りを見ると、スタートが上手だなというのと、パワーが最後まで持続するなというのを感じましたね。ほんとによく、足が動いてます。回転が速い、速い。
僕にとってのスプリンターというと、やっぱりカール・ルイス(55)。1984年ロサンゼルス・オリンピックのころから、スターでしたもんね。のちにテレビ番組で一緒に仕事をすることになるんですけど、こっちが一方的に昔から知ってる分、会ったときのオーラがすごかったのを覚えてます。すごくジェントルマンだったなあ。
多田君は今週末の日本選手権に出ますよね。突然出てきて、桐生祥秀君(21)やケンブリッジ飛鳥君(24)たちをみんなやっつけたら、すごいことになるんじゃないですか? 何か起きそうな予感もします。
最後にお知らせを。「第14回丸山茂樹ジュニアファンデーションゴルフ大会」を8月21日、千葉市の平川CCで開きます。小学5年から高校3年までの男女計140人の参加者を募集します。マルジュニアのホームページをご覧の上、7月24日までに申し込んでください!
※週刊朝日 2017年6月30日号
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