貧血の要因として最も多いのは、鉄欠乏によるもの。食べ物などから体内に入ってくる量と、体外に排出される量のバランスが崩れると貧血になる。働き盛りの男性は、食生活が乱れがちな点で心配だ。
「外食やコンビニ弁当などに頼る、特にカップ麺系に走る人はバランスが偏ってしまい、栄養素が十分に入ってこない状況に陥るのです。仕事が忙しい40、50代は疲れが蓄積し、無理していくと、じわじわと肉体が限界に達します」(同)
実際、記者も禁酒したにもかかわらず、最近になって、ヘモグロビン値が低下。忙しく、不規則な生活が続いたためと思われた。
さらに、貧血が恐ろしいのは、「危険な病気のサイン」(同)の場合もあるからだ。
「がんや胃潰瘍、ポリープなどの重篤な病気が隠れている場合もあります。がんなどによる出血の結果、貧血が起きている可能性があるからです。特に男性の死亡数が女性の2倍に上る胃がんには注意したほうがいい」(同)
がんの治療後に貧血になることもあるという。
「胃の全摘出手術をした人は、鉄やビタミンB12の栄養素の吸収障害の結果、数年たってから貧血になる例が多いのです」(同)
※週刊朝日 2017年6月23日号より抜粋