田臥勇太選手(撮影/加藤夏子)
田臥勇太選手(撮影/加藤夏子)
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 Bリーグができてよかったことは、バスケットボールをやっている子どもたちにとって、プロの選手になる夢が身近になったことです。野球やサッカーをしている子どもたちは自然と「野球選手になりたい」「サッカー選手になりたい」と夢を持つものです。同じように、バスケットボールを練習する子どもに「僕はBリーグの選手になりたい」と思ってもらえるような世界になってくれたらうれしいです。

 バスケットボールがうまくなりたいなら、プレーしたい、純粋に楽しみたいという思いを絶対忘れないでほしいと思います。僕の場合、8歳の時にバスケットボールを始めて、夢中になりました。アメリカの大学に留学して、上達するにはいかにのびのび楽しむかが大事だと感じました。そういう意味で、指導してくれた人たちがみんな、好きなようにさせてくれたことに感謝しています。今思うと、得意な部分をすごく伸ばしてくれていたんだと思います。

 日本の部活は礼儀の教育がしっかりしている。それは良さでもあるんですが、一方で決まりが多くて押し付けられてしまうイメージもあります。選手それぞれの個性をつぶしてしまったり、バスケットボールはもうやりたくない、と思わせたりするような指導は、上達を妨げる場合もあるかもしれません。そういう意味では、恵まれていました。指導者に恵まれて、仲間に恵まれて、家族に恵まれました。振り返ると、いろんなものがうまくかみ合ったなと思います。まっすぐ、どんどん好きになれました。

 バスケットボールを始めたら、まずは「暇さえあればバスケしたい」と思えるほど、いかに好きになれるかが勝負です。そのうえで、次のステージに進むと、その都度また目標が生まれてきます。それは人によっても、チームによっても違うでしょう。レギュラーになりたいか、キャプテンになりたいか。市大会を目指すか、県大会か、全国大会か。どんな目標も、始めたころにバスケットボールが好きだという気持ちを養えると、その情熱で頑張れる。原点を大事に磨きをかけてほしいと思います。

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