NBA観戦の経験は、大学のときに海外を目指したきっかけの一つかもしれません。新しい環境に身を置くのは、いろいろ大変なことはもちろんあるけれど、一歩踏み出したら、絶対無駄にはならない。あとあと絶対プラスになってかえってきます。
バスケットボールに限らず、やりたいことがあったら、どんどんチャレンジしたほうがいい。好きなものに、夢中になることが大事なんです。それが、その都度変わってもいいと思います。僕の場合はそれが変わらずバスケットボールでした。絶対プロの選手になりたいとぶれずに思い続けることができて、僕はNBAの選手になれました。ただ、結果よりもプロセスのほうが大事だと思うんです。達成できる、できないにこだわったり、執着したりしないで、失敗を恐れずに、そこに向かうことを大切に楽しんでもらえたらうれしいです。
僕は「NBAの選手になれなかったらどうしよう」なんて考えたことはありません。どうやってそこにたどりつけばいいかもわからなかったし、夢中で目の前のことをやっていくうちに、飛び込むことができました。余計なことを考える暇がないくらい、チャレンジしてみたい気持ちが上回っていたんです。
36歳の今も、まだバスケットボールができている。失敗を恐れないでやれたら、その失敗も絶対プラスになる。そう思って、僕自身はこれからも、挑戦を続けていきます。
(構成/本誌・直木詩帆)
※週刊朝日オンライン限定記事