プロゴルファーの丸山茂樹氏が、男子ツアーの国内開幕戦に参加した選手たちから、印象に残った選手を紹介する。
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男子ツアーの国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」(4月13~16日、三重・東建多度CC名古屋)へ、テレビ解説のお仕事で行ってきました。
最終日、トップの梁津万(リャンウェンチョン=中国)に5打差の7位で出た藤本佳則(27)が猛チャージ。前半9ホールを5バーディー、ノーボギーとして梁を抜き、単独首位に立ちました。でも後半はスコアを一つしか伸ばせず、梁に次いで2打差の2位。15番(パー4)か17番(パー5)でバーディーがとれてれば、チャンスがあったかなと思います。まあ、これも勝負の流れですね。
藤本本人も言ってるように、ショットはよかった。以前からドライバー、セカンドショットと非常にクオリティーが高いんですけど、ここ何年かはパッティングに難があるというか、せっかくショットがいいのにパットが決まってくれないストレスが続いてたんだろうなと思いますね。この試合もそうでした。
僕が最初に藤本とラウンドしたとき、「アプローチが上手な子だな」と思ったんです。でもね、そんなゴルファーでもパットの調子が悪いと、自分の中でアプローチの比重がどんどん大きくなってきちゃうんです。パットが入らないもんだから、「アプローチでOKくらいに寄せないと」って。藤本にもそういうのが少し見える。自分の思い通りの展開に運べてない気がしますね。でもショットのクオリティーは高いので、1年間通じてどうだったかというと、12月には安定した位置にいられる。だから彼の場合はパッティングが開花した瞬間、何勝でもできるだろうなという感じです。
藤本は2013年にツアー2勝目を挙げたのが最後の優勝で、お子さん2人が生まれてから勝ってないんですってね。そういうのも本人にしたら「なんとかしなくちゃ」という部分でしょうね。奥さんに変な気を使わせてないかな、とかね。それは我々アスリートはみんな感じてると思います。藤本の今後はパット次第。開眼に期待します。
この試合では「ジャンボ」こと尾崎将司さんが久しぶりに予選の36ホールを“完走”されました。
決勝ラウンドには進めませんでしたけど、ああやってジャンボさんが36ホールを元気にプレーしてくれるのは、我々もファンのみなさんにとっても非常にうれしいですよ。何と言っても70歳ですからね! 僕がジャンボさんのトシで現役なんて考えられません。その分、ゴルフ界のため、マルチに役立てる生き方をしていきたいと思ってます。
※週刊朝日 2017年5月5-12日号
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