妻:「タバコまでやめられたら、真剣に付き合わなきゃいけなくなるから、やめなくていいよ」って。

夫:そうだっけ。

妻:そんなん言われたら、そらやめるでしょ! 少しずつ本数を減らして、禁煙成功!

夫:そんな彼女を見ていて、あ、これならずっと一緒にいても大丈夫かな、と思えたんです。

妻:それでも、プロポーズのときは大ゲンカでしたね。

夫:あー、パームスプリングス(アメリカ・カリフォルニア州)な。

妻:1週間ぐらい、一緒にいたんです。私が先に帰るから、空港まで送ってくれたんですけど……。

夫:あー、そうだった。

妻:「帰ったらどうする?区役所か?」。このふた言。マックさんなりのプロポーズだったと思うんです。でも私……むくれた(笑)。

夫:もっとロマンチックな言葉を期待してたんでしょ。

妻:そしたら彼が「じゃあ、やめよか」。今度は私、激怒して大泣きです。

夫:それがひどい顔で!

妻:けんかしてるのに、笑うんですよ!

夫:顔がくっしゃーって。それがまあブサイク! ああ、ほんとにつらいんだな、って思って。

妻:彼にしてみたら「そんなタイプの男じゃない。わかってるでしょ?」。そんな人がいいなら、よそへ行きなさい、と。

夫:要するにこの人は、不器用なんですよ。

――二人は14年5月31日に結婚。15年に第1子、16年には第2子が誕生。二人の男の子の親になった。

夫:今となっては、あの三宮の繁華街で「なんで?」がなかったら、今はない。その点は感謝してますね。

妻:彼の言うことを理解するのに時間はかかりました。でも、受け入れれば、彼なりの筋が通ってる。

夫:彼女はよく「普通はこうでしょ」と言うんです。「プロポーズって、もっと特別なもんでしょ!」とか。でも、僕に言わせれば「普通って何?」。彼女だって大学で演劇を勉強してタレントになって、テレビで人の頭はたいて。それのどこが「普通」なんだ、と。

妻:まあ、今なら、言ってること、わかりますけど。

夫:大事な人だからこそ、お互いの考え方をきちんと把握しておかないと、将来は開けないな、と思った。時間はかかったけど、頑張ったね。俺が(笑)。

妻:しかし、子供好きだとは思ってたけど、ここまでとは。本当にいいパパです。

夫:男の子二人ですから、今後どうなっていくか……。たたかれて教育された鈴木家と、諭して育てた小原家と。彼女を見たら、わかりますよ。大切に育てられてきたってことは。だから彼女もいいお母さんです。

週刊朝日 2017年4月28日号より抜粋

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