4粒がセットになった「SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2016 Human~coexist with nature(自然と共に)~」(税込み1728円)は、ホワイトデーにもぴったり4粒がセットになった「SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2016 Human~coexist with nature(自然と共に)~」(税込み1728円)は、ホワイトデーにもぴったり
「奈良漬け」や「煮切り醤油」など意外性のある材料は、チョコレートと絶妙にマッチしている。エス コヤマのチョコレート専門店Rozilla(ロジラ)か、エス コヤマオンラインショップで購入できる「奈良漬け」や「煮切り醤油」など意外性のある材料は、チョコレートと絶妙にマッチしている。エス コヤマのチョコレート専門店Rozilla(ロジラ)か、エス コヤマオンラインショップで購入できる
 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、チョコに一家言もつ有名人が絶賛するパティシエ・小山進氏のスイーツについて。

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 バレンタインデー特集で、「漏れなく」登場していたのが奈良漬けが入ったチョコ=「奈良漬プラリネ」を含んだ「SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2016」だろう。

 日本で最も有名なパティシエの一人、小山進氏が2016年、溢れるアイデアからカタチにした65種のショコラの中から、さらに4種類に絞り込んだのが同セット。パリで行われた「C.C.C.」(クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ=ショコラ愛好会)のコンクールで最高位を獲得したモノである。ちなみに、最高位獲得は6年連続となる。

 バレンタイン前、「マツコの知らない世界」(TBS系)で同品を前のめりで紹介していたのは、チョコレートにまつわる著書もある楠田枝里子。海外のショコラティエを含め、チョコに一家言もつ楠田さんの熱の入り方で、いかに、氏と、このチョコがスゴイかということが伝わって来た。

 新年の「おしゃれイズムSP」(日本テレビ系)では食通で知られるV6の長野博が、MCの藤木直人と連れ立ってロケに出て、件の「奈良漬プラリネ」や“行列のできるクリームパン”、さらには、「これだけはお取り寄せができない」という一日1600本も売れるロールケーキ「小山ロール」を試食していた。

 バレンタインデー前は、電話も繋がりにくければ、ホームページもアクセスしにくかった小山氏の「パティシエ エス コヤマ」は、兵庫県三田(さんだ)市にある。「スイーツのテーマパーク」とも例えられる一角には、ケーキ、パン、ショコラから和菓子に至るまで7ブランド、800種ものスイーツが並ぶ。三田市内で最も有名な場所と言っても過言ではないのである。

 800種という数でもわかるように、小山氏はとにかく研究熱心で、日々、新商品開発に余念がない。私は「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)の宮根誠司氏がお遣い物にしていることから同店を知ったのだが、小さな衣装ケースともいうべき箱に詰め合わせられたスイーツは、大げさではなく、一つとしてハズレがなく、全て美味しいのだ。ここ数年のテレビ番組では、後進を育てる氏のポリシーなども細やかに取り上げられているため、それをきっかけに同店に興味をもったという方も多かろう。

 が、繰り返しになるが、場所は兵庫県三田市。東京人にはなかなか食せるモノではないせいか、件の宮根氏やハイヒール・モモコさんら、顧客の関西セレブは、なんだかちょっとドヤ顔(!)に見える。

週刊朝日 2017年3月10日号

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