地道な教育を重ねて輝いている大学は、ほかにもある。前出の小林氏は言う。

「金沢工業大(石川県野々市市)は、4年間でしっかりと学生への教育をすることで知られています。ロボットコンテストでは東大など難関国立大の学生と対等に戦い、3回優勝、世界大会に5回出場しています。それも、学生たちが自らアイデアを出し合い、機材を一からつくりあげる作業ができる環境が整っているからです。高校の先生たちからも『金沢工業大に入学すると、生徒が成長する』と評判です」

 実就職率は96.1%。ノートルダム清心女子大に続き、就職者数500人以上の大学でみて全国2位の実績が、在学中の教育力の高さを実証している。

 西日本の工業大で注目を集めているのが、福岡工業大(福岡市)。「すべての学生生徒のために」を掲げ、就活は、教員も積極的に協力する。福岡県外で就活する学生には、大学が最高3万5千円の交通費補助を出すなど、独自の支援もある。

 研究にも力を入れていて、15年度の科学研究費の新規採択率は、全国の理工系私立大学で1位(短大を除く)。国際共著論文の割合も43.4%と全大学で2位だ。その結果、06年度に3313人だった入学志願者は10年連続で増え、16年度には6939人と倍増している。

週刊朝日  2017年2月3日号より抜粋