「二階俊博幹事長の派閥などは、年末年始にかけて解散準備の指示が出ている。事務所の確保など準備に追われている」(自民党議員)
例年1月だった党大会も3月に変更された。
自民党は大規模な選挙情勢の世論調査を年明けに実施する方針で、結果を踏まえ解散の是非を安倍首相に委ねる考えだ。
安倍首相の自民党総裁任期は18年9月までだが、宿願である憲法改正は国民投票などハードルが高く、実現には時間が足りないという。憲法改正を成し遂げるため、衆院の任期満了の18年12月までのどこかで衆院選をやり、改憲勢力3分の2を確保。その上で次の総裁選に勝って任期を延長しなければならないのだ。
「解散風は今夏の参院選のときから麻生さん(太郎財務相)と今井尚哉筆頭首相秘書官が組んでダブル選をあおってきた経緯がある。麻生さんは首相のとき、解散を先延ばしし、大敗した経験があるから忠告している。だが、菅義偉官房長官は次の衆院選は議席を減らすだろうから、早期解散には懐疑的。区割り勧告、都議選の後まで解散時期がずれ込むと株価などが不透明になり、追い込まれるので、フリーハンドでやれる1~2月の間に首相は決断するだろう」(自民党国対幹部)
これまでの情勢調査では次の衆院選で自民党は20〜30議席減になるという結果が出ている。
現在、自公の与党は全体の3分の2を上回る326議席を維持しているので、衆院選後に改憲勢力が維持できなくなるのではないかと予測される。
公明党関係者がこう言う。
「自民党が失う議席は日本維新の会に流れるだろう。維新は菅官房長官と近く、改憲派なので、次の衆院選後は自公維で3分の2を維持すればいい」
タイミングよく12月24日、安倍首相は旧維新の党代表だった橋下徹氏と都内で会談する予定だ。
年金改革法案、カジノ解禁法案などの強行採決で賛成に回った日本維新の会は、「今や完全に自民党の補完勢力」(野党議員)。
公明党はこれまでカジノ法案には強硬に反対してきたが、最終的に折れて自主投票にした。これには裏があった。