粥麺楽屋 喜々の「トムヤムクン粥」/厳選した白米・玄米・押し麦を、干し貝柱と数種類の野菜で取ったスープと合わせて作る、オリジナルの五分粥。ぷりぷりのエビの歯ごたえが楽しく、酸味と辛み、甘みが一体となったトムヤムクンの風味が食欲をそそる。950円(税込み) (撮影/大島千尋)
粥麺楽屋 喜々の「トムヤムクン粥」/厳選した白米・玄米・押し麦を、干し貝柱と数種類の野菜で取ったスープと合わせて作る、オリジナルの五分粥。ぷりぷりのエビの歯ごたえが楽しく、酸味と辛み、甘みが一体となったトムヤムクンの風味が食欲をそそる。950円(税込み) (撮影/大島千尋)
この記事の写真をすべて見る

 著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回、俳優の中村雅俊さんが選んだのは、粥麺楽屋 喜々の「トムヤムクン粥」だ。

*  *  *

 この店は昔、レコード会社で僕の宣伝担当をしていた人が始めたんです。彼と出会ったのは25年ぐらい前かな。偶然なんですが、僕の高校の同級生の従兄弟だったんですよ。不思議な縁ですよね。ところがある時、急に、会社を辞めて飲食業をやる、と。びっくりしましたよ。で、「しょうがない、応援してやるか」って行ってみたら、これが存外、おいしかった(笑)。

 中華粥というと、40年ほど前、松田優作さんと「俺たちの勲章」ってドラマに出たんですが、その舞台が横浜で、早朝、中華街の駐車場に集合なんです。当時は毎晩のように飲んでいたので、朝の中華粥にはハマりましたね。それに僕は辛い物やエスニックが大好き。だからこのトムヤムクン粥はずばり、好みなんです。優しい味で、ぴりっとアクセントも効いていて。ボリューム感があるのに、夜遅く食べても負担にならない。仕事の後に行くのに、ちょうどいいんです。

 仕事は変わっても、彼は今も僕の仲間。たまにふと、この味が恋しくなるんですよ。

「粥麺楽屋 喜々」東京都渋谷区神宮前2-6-6 秀和外苑レジデンス1F/TEL:03-5474-6691/営業時間:11:30~15:00、17:00~23:00※ランチ・ディナーともなくなり次第終了/定休日:日・祝

週刊朝日  2016年12月9日号