小池氏が日本新党から参議院選挙に出馬した92年、勇二郎氏が浜渦氏のもとを訪ねたことがあった。

「『選挙スタッフが集まらんから百合子の選対に入ってくれないか』と頼まれました。でも、『私は百合ちゃんと心中するつもりはない。仲間だったら紹介しますよ』とお断りしました」(浜渦氏)

 小池氏が国会議員になって以降も関係は続いた。

「私が副知事だったころも百合子さんが中国の宗教団体の人と一緒に都庁に来て、活動認可を下ろしてくれ、と頼んできたこともありました」(同)

 浜渦氏は勇二郎氏の選挙を手伝った縁で、小池氏の兄とも親しい間柄だ。

「百合子さんの兄は貿易会社をやっています。私が副知事だったころ、百合子さんの兄さんから『いずれディーゼル規制ができますから、パーム椰子を使ったバイオエネルギーを東京で使いませんか』と提案されたこともありました」(同)

 小池氏が自民党総務会長だったころ、浜渦氏が党本部を訪ねたこともあった。

「百合子さんから、『兄がモンゴルから来るから来てちょうだい』と誘いがあったんです。総務会長室に行ってみたら、兄さんがモンゴルの偉い人を連れてきていた」(同)

 だが、3人の“腐れ縁”は都知事選によって大きくねじ曲がった。小池知事は9月、広尾病院の移転問題について記者に質問されたとき、こんな意味深な発言をしている。

「(広尾病院の移転に反対している)佐々木勝前院長は石原さんの主治医でしたからねぇ。(略)(優先順位は)あまり高いところに置いていない」

 石原氏と小池一家を知る朝堂院氏はこう話す。

「小池さん一家は石原さんからあまり相手にされていなかった。浜渦さんを通じて付き合いは続けていても、百合子さんの心境は複雑だったのではないか……」

 恩讐の果て、豊洲移転の責任問題は今後どうなっていくのだろうか。

 小池知事は14日、現職の岸本良一市場長を更迭することを発表した。すでに都庁を退職している歴代市場長については直接処分できないものの、「減給処分相当」として給料の返納を求めるなどの対応を検討していくという。

 追及の手は、当時のトップだった石原氏まで及ぶのだろうか。自民党関係者はこう証言する。

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