「ジブリはだいたいのロシア人は見てる。私のお母さん、トトロ大好き!」(同)

 アニメと切り離しがたいオタク文化もどうやら世界共通のようで、ロシアでもコスプレイベントは盛況という。ナスチャんさんは10年前から、友人と一緒にアニメキャラに扮するように。それが日本行きのチャンスを掴むことにもなった。

「私の友人がロシア留学していたとき、イベントでナスチャんに出会ったのが、きっかけです」

 と話すのは、ナスチャんさんをマネジメントする、クールジャパンとサブカルチャーのコンサルタント会社「フリープランニング」の社長の大森拓也さんだ。

 実はナスチャんさんは、モスクワの大学で経済学を学び、卒業後は銀行に勤めた経験もある。そのため大森さんは、ナスチャんさんがカフェの接客業ではなく、事業のマネジメントに携わることも視野に入れているという。単純労働では就労ビザの取得がなかなか難しいという背景もある。

「日本はどこも安全だし、みんな親切。ずーっと住みたい」

 とナスチャんさんは永住を希望している。“メイドカフェ起業”で、夢は花開くか。

週刊朝日  2016年10月21日号