「たいへん嬉しく思います。まだまだこれに満足することなく、野球とエンターテインメントの融合を目指し、さらなる努力を重ねていきたいと思います」(ソフトバンク事業統括本部副本部長兼マーケティング本部長・吉武隆氏)
この結果について、鈴木教授は「ソフトバンクは14年、15年と連続して日本シリーズを制し、圧倒的な“強さ”に対して反応している。一方、日本ハムは早くから地域密着のチームを目指してきたことが評価されている」と分析する。
「巨人は日本一にならないとファンから厳しい評価が下りますね。中日は落合博満さんが監督を辞めてからは、どういうチームを目指しているのかがわからなくなっています。やはり『勝利』とか『試合内容』がコアなファンサービスになっています」(鈴木教授)
3年ほど前から「カープ女子」が話題になっているが、ソフトバンクと日本ハムは女性ファンの獲得でも競い合っている。
ソフトバンクは近年、「タカガールデー」を設けている。
「その日は、飲食含めてすべてが女性向けの仕様となっています。今シーズンは観客席の約70%を女性ファンが占めました」(ソフトバンク広報企画部)
日本ハムは女性一人で2席使える「シンデレラシート」がウリ。
「女性は手荷物が多いので、隣の席にバッグや着るものを置いていただけるように工夫しました。1席のお値段にちょっと上乗せしただけで、お得です」(日本ハム広報部)
「最も好きな選手」はソフトバンクが柳田悠岐と松田宣浩の2人で球団ファンの48.7%。日本ハムは大谷翔平と中田翔の上位2人で59.6%を占めた。
「これといった人気選手がいないと話題性に欠けます」(鈴木教授)
日本ハムの大谷は今シーズン、投手として安定した防御率を誇りながら、打者としても打率3割以上をマークしている。
「専門家からはどちらかに専念すべきだという厳しい意見が多かったですが、そんなことを気にせず、のびのびとやらせたのがよかったですね。こうした取り組みもファンの満足度を上げる要素ではないでしょうか。日本ハムだからできたことで、もし巨人や阪神だったら、“二刀流”は生まれていなかったかもしれません」(同)