昨年3月の就任時、ファンやマスコミの期待が昇り調子だったサッカー日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督。いまその“株価”が急落している。
今月スタートした、2018年ロシアW杯出場をかけたアジア最終予選で、日本代表は初戦のUAE(アラブ首長国連邦)戦でいきなり黒星を喫した。明らかなゴールが認められないなど不可解な判定による不幸があったが、ホームで先制しながら最終的にはセットプレーから2失点し逆転負け。アジア最終予選がホーム&アウェー方式となった1998年フランス大会以降、最終予選の初戦で敗れ、W杯に出場できた国はひとつもない──。そんな過去のデータも相まって、指揮官への風当たりは増している。
続くタイ戦は、敵地で2−0と勝利したものの、率直に言ってタイはグループ内で最も力の劣る相手。当の指揮官は「簡単ではなかったが、非常に重要な勝利だった。ここから日本はより強くなる」と安堵(あんど)の表情を見せたが、本来勝つべき相手に勝っただけのことである。
ハリル監督が不評を買うのは、何も初戦を落としたことだけが理由ではない。UAEに敗れた後には「責任は自分にある」としながらも、「何人かは自分が要求するプレーができなかった。なぜ、その選手を選んだかといえば、それ以外にいい選手がいなかったからだ」と選手に責任を転嫁する始末。まるで外部の批評家のような立場で代表チームを語ったが、これでは選手たちの士気を上げることは難しいだろう。