リオデジャネイロ五輪バドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得したタカ・マツペア。勝利をもたらした要因に選手としてのタイプの違いがあるという。
死闘を制した瞬間、高橋礼華(あやか)(26)はコートに倒れ込み、松友美佐紀(24)はその場にしゃがみ込んだ。まさに土壇場からの逆転勝利だった。その喜び方はいかにも対照的だ。
リオ五輪バドミントン女子ダブルス決勝。世界ランク1位の高橋、松友組(いずれも日本ユニシス)が、昨年の世界選手権2位のデンマークペアを破り、金メダルを獲得。日本バドミントン界で初めてのことだ。
第1ゲームは接戦の末に18‐21と落としたが、第2ゲームは相手のミスを誘って21‐9と奪い返した。迎えた第3ゲームは16‐16のタイスコアから相手に3連続得点を許し追い込まれたものの、最後は奇跡の5連続得点で試合をひっくり返した。
松友は、16‐19とリードを許したときは「正直、このまま負けちゃうかなと思った」と告白し、高橋は「19‐19となってからの記憶はほとんどない」と振り返った。それほどの土壇場をなぜしのぎ切れたのか。理由は、まったくタイプの違う2人が長年築いてきたコンビネーションにあった。