快適に眠れる室温は、約28度、湿度50%以下。エアコンをその程度に設定(タイマーは2~3時間)したいが、節電しつつ快眠を得るには、涼感寝具が助けになる。枕にかぶせる涼感枕パッドやシーツに敷く涼感敷きパッドなどだ。
量販店のビックカメラでは今年、涼感寝具の売り上げが昨年比1.5倍の勢いだ。暑がりの記者も枕と敷きパッドを購入したが、確かに気持ちよく眠れた。
「涼感寝具は二つに大別できます。一つはあらかじめ冷やしたジェルなどを敷物に使う製品。もう一つは、涼しさを感じられるように、糸の織り方や種類など繊維を工夫した製品です」
熱中症や涼感寝具類に詳しい横浜国立大学教育人間科学部の田中英登教授はこう説明する。
生地が凹凸に織られていれば、皮膚と繊維の接触面積が小さくなり、熱がこもりにくく、生地が体に長時間接触しても温まりにくい。熱伝導性を高くした「接触冷感」の素材も増えた。
繊維商社「田村駒」は、長時間ひんやり感のある製品「アイスマックスCOOL」シリーズが人気という。担当者は「接触と同時に熱を奪って拡散させる。吸熱と放熱を繰り返し、寝返りごとにひんやりする」と話す。
寝苦しいときは冷感スプレーを使うのもよい。小林製薬の「シャツクール」、白元アースの「アイスノンパジャマミスト」などだ。寝る前に、パジャマやシーツの上から吹きかけると、ひんやりとして快眠につながる。
※週刊朝日 2016年7月22日号より抜粋