時間のかかる環境影響評価(環境アセスメント)を逃れるために、防衛省が買収する土地を意図的に小さくした“奇策”を暴露したのだ。
<(35ヘクタール以上だと)4年くらいかかるんです。環境アセスが>
とも語り、心配する地元住民の気持ちを逆なでする発言までしている。
この発言にあわてたのが防衛省だ。中谷元・防衛相は、藤丸氏の話したシナリオを「(防衛省が)環境影響評価の回避を目的としている事実はない」と即座に打ち消し、藤丸氏を口頭注意した。
なぜ、藤丸氏からこんな発言が出たのか。その背景には、30ヘクタールしか買収しない防衛省の方針に不満があったようだ。
<(約90ヘクタールの土地を防衛省が)全部買えよ、全部と言ってんですよ>
前述したように、藤丸氏は自ら漁協と関係が深いと語っている。実際に2013年には、福岡有明海漁業協同組合連合会から政治献金50万円を受領している。
この発言は、漁業関係者が所有する土地を、防衛政務官の立場を使って、買わせようと防衛省に“圧力”をかけたようにもとれる。
漁協関係者は言う。
「藤丸さんは福岡の有明海漁協と縁が深いようだと聞いたことはある。佐賀の漁協でも知り合いは多いよ」。(今西憲之、本誌・西岡千史)
※週刊朝日 2016年5月20日号より抜粋