それでもリオは「最後の勝負」と、この半年で2度の高地合宿をしたほか、萩野公介ら一回りも年下の大学生と同じメニューに取り組むなど、できることはすべてやってきた。
「恥ずかしいけど、大会前には、日本記録を目指せるかもと言えてた自分がいた。そこまで自信を取り戻せた」
それだけに、ある種の達成感があったのだろう。気になる今後について本人は明言を避けているが、これまでの実績や発言力、カリスマ性を考えれば、水泳界にとどまらず、2020年の東京五輪に向けスポーツ界をリードする役割や競技の解説なども望まれる。
「チョー気持ちいい」や「何も言えねえ」は北島の代名詞となったが、立場は変わっても新たな名言の誕生に期待したい。(スポーツジャーナリスト・栗原正夫)
※週刊朝日 2016年4月22日号