野党も、社会党の時代は今より戦い方を知っていた。牛歩戦術や審議ストップ、証人喚問など、あらゆるテクニックを駆使してきた。議員もそれぞれの分野のスペシャリストがいて、もっと的確な質問をしていた。
今の議員は原発事故にしても集団的自衛権にしても報道レベルの内容しか調べず、質問に鋭さと深みがない。あまりにも勉強不足です。例えば、「マイナス金利」など奇策ばかりの経済政策で財政と金融が傷み続けている現状を野党はもっと追及すべきでしょう。なぜやらないのか。
もっとも、財政・金融政策については与党も同じで、党内がイエスマンばかりになり、かつてのような党内での侃々諤々(かんかんがくがく)の議論がなくなってしまった。国会審議が大した議論もなく終わっては、国民には何が事実でどこが問題点かが伝わらない。これは民主主義の危機です。与野党問わず、襟を正す必要があります。
※週刊朝日 2016年4月8日号
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