原宿通り商店街の路地を1本入ったところに、理髪店「バーバーショップエイト」はある。
マスターの鈴木利昭さん(70)はこの道50年、リーゼントを手がけたら日本一の腕前とも言われる。
昭和46年に独立、竹下通りに開店した。その後原宿通り商店街に移転、昭和50年代にホコ天で踊るローラー族や50’sのブームなどで、一気に人気に火がついた。
「開店から閉店までずっとリーゼント。ウチで仕上げてホコ天に行くのがステータスになったみたいですね」
鈴木さんの腕を求め、北海道や宮古島などからはるばるやってくる客もいる。
「同業者もいますね。見るところが違うからすぐわかりますよ」
リーゼントをオーダーする客ばかりではない。
「ヤクルトスワローズの選手や、瀬古利彦さんも昔からよく来てくれます」
そういえば神宮球場や国立競技場から近いエリアでもある。キングカズ・三浦知良も来店したことがある。
「気合を入れたいときにね、『お願いします』と」
鈴木さんに、リーゼントをお願いしてみた。