また、試験当日に、「時間が足りなかった」と言う受験生も少なくありません。しかし、足りなかったのは時間ではなく、時間内に解く訓練です。直前期には、過去問で時間内に解く訓練をしましょう。時間切れにならないよう、最初から順に解くのではなく、どういう順で、どう時間を配分するかを、徹底的に意識して解くのです。取れるものから解く――これが最も大切なことです。
直前期の勉強も試験中も、時間こそが最大の敵であり、時間のマネジメント能力を試されている、と思ってください。
時間管理と同様に大切なのが健康管理です。勉強時間が足りないからといって、睡眠時間を削らないこと。体調が悪いと感じたら、無理せず、すぐに休みましょう。健康管理も一科目です。
残り時間もわずかとなるなかで、そこに集中し、限界までやり切れるかどうか――。ここで頑張りきれた場合には、「自分は、打ち込めばできるのだ」という自信が得られます。それは、将来にわたって大きな財産になるものです。一方、限界までやらずに、仮に合格しても、「自分は勝負どころでベストを尽くせない人間なのだ」という思いを抱えて生きていくことにもなりかねません。
受験は、合格という結果だけではなく、生きていくうえで必要な自信を得るための闘いにもなり得るのではないでしょうか。
※週刊朝日 2016年2月19日号