「“紅白若返り計画”が進む中、ベテランは後輩に枠を譲るために、卒業しなくてはいけない空気がある。さらに、2年前に紅白を引退した北島三郎は大トリを務めて勇退しましたが、今回は近藤真彦と松田聖子が務めたので、不本意だったのでは。本心を語れず忸怩(じくじ)たる思いがあったのでしょう」(同)

 業界の事情や世代交代など、社会の縮図が垣間みれた紅白。マンネリから脱却する秘策はあるのか。

「寄せ集めのコンテンツで作るのなら、4時間半もの放送は長い。音楽嗜好や視聴スタイルも変化しているので、約30年前と同様の21時スタートの2時間45分に短縮することや、形骸化した男女対抗形式を変えてみるなど、大胆な改革も考えていいのでは」(碓井教授)

 年末年始の視聴率トップ10には、ほかに箱根駅伝やバラエティーなど定番が並んだ。名実ともに強い紅白を見てみたい。

◇年末年始の視聴率ランキング
[1]第66回NHK紅白歌合戦(第2部) 12月31日 NHK 39.2%
[2]箱根駅伝・往路 1月2日 日テレ 28.0%
[3]箱根駅伝・復路 1月3日 日テレ 27.8%
[4]ゆく年くる年 12月31日 NHK 22.6%
[5]芸能人格付けチェック!SP 1月1日 テレ朝 18.7%
[6]元日はTOKIO×嵐 ウルトラマンDASH(第2部) 1月1日 日テレ 18.3%
[7]ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!SP(第1部) 12月31日 日テレ 17.6%
[8]相棒SP 1月1日 テレ朝 16.7%
[9]アメトーーーーーーーーーーク! 12月30日 テレ朝 15.8%
[10]とんねるずのスポーツ王は俺だ!!SP 1月2日 テレ朝 15.0%
(12月28日~1月3日 ビデオリサーチ〈関東地区〉をもとに作成)

(本誌取材班・上田耕司、藤村かおり、亀井洋志、牧野めぐみ、鳴澤 大/黒井文太郎)

週刊朝日  2016年1月22日号