「世界でも一人舞台。誰も手が届かない選手です」
グランプリファイナルで3連覇を飾った羽生結弦を手放しで絶賛するのは日本スケート連盟理事の佐野稔氏だ。
「今季初戦のカナダ大会は、ショートで初歩的なミスをするなど内容が悪かった。その悔しさと、最高難度の4回転ルッツを決めた金博洋の存在が刺激になったのでしょう」
NHK杯で322点を出した時点で、佐野氏は3連覇を確信したという。
「でも、330点は大きなオマケでしたね。まだまだ伸び代を感じますし、いずれは彼も4回転ルッツに挑戦するんじゃないかな」
2度の五輪を経験し、女子フィギュア界の第一人者だった渡部絵美氏も語る。
「2014年11月の中国杯で、練習中に他の選手と衝突してけがをしましたよね。中国の選手が暴走したのかもしれませんが、普通なら確実に避けられるものです。集中力を欠いていたか、鈍かったからこそ起きた事故。そういう甘さが今回は見られなかったですね」
羽生が現在トレーニングするトロント・クリケット・スケーティング・クラブは、渡部氏が五輪に初出場した際、トレーニングを積んだ場所でもある。