「心臓病を抱える患者さんの増加や、がん患者さんは血栓が関係する循環器の病気にかかりやすいなど、両者は切り離せない関係になっています」(同センター病院長・左近[賢人(まさと)]医師)
同センターは、肺がんや食道がんの患者数が多く、膵がんや進行した食道がん、頭頸部がんなど、手術の難しいがんを得意とする。また、胃がんや食道がんの内視鏡治療にも強い。17年3月に大阪市東成区から中央区の大阪府庁近くに移転する。敷地内には民間の重粒子線治療施設も建築される予定で、手術、薬物療法、放射線治療などの集学的治療を担う最新の医療機関としてスタートを切る。
手始めに外来受診の方法を改善し、初診、検査、治療方針の決定までを1日程度で終わらせるシステムに変えた。その結果、入院の平均待ち日数が約20日から2週間に短縮できた。
「これまでは、5年生存率をいかに上げるかにこだわっていました。もちろんこれは大事なことですが、それだけでは今のがん医療は成り立たない。待ち日数を早めるなどで検査結果や治療を待つ患者さんの不安を和らげ、満足度を上げる努力を続けていきます」(同)
◇西日本のがん死亡率・罹患率
死亡率(男性) 1位:和歌山県 最下位:香川県
(女性) 1位:佐賀県 最下位:岡山県
罹患率(男性) 1位:鳥取県 最下位:沖縄県
(女性) 1位:広島県 最下位:岐阜県
(静岡県、大阪府、福岡県、宮崎県、鹿児島県は除く)
※週刊朝日 2015年9月18日号