もはやオスでもメスでもどうでもいい、という魅力が小太郎にはある。あちこちで噂され、次々と客を引き寄せる招き猫。
近くの筑紫園茶舗にも、チャコという看板猫がいる。ご近所さんは店先の長椅子に座り、猫を愛でながらお茶を飲む。世間話に花が咲く。平和な光景である。
その先の生花店は、猫のたまり場だ。ゴロゴロとくつろぐ猫たちに、街の人が、「寝てばかりでいいなぁ」などと声をかけていく。
猫のいるところには自然と人が集まる。人が集まれば話に花が咲き、ほがらかな空気が生まれる。
人情味あふれる商店街×猫。温かなこの情景が、いつまでも残ってほしい。
※週刊朝日 2015年9月11日号