東京・新宿から2駅の代田橋駅近く。都会のど真ん中に、やたらと“猫率”の高い商店街がある。その名も沖縄タウン。
いたるところにあるシーサー像の唐突感もさることながら、ぶらぶらしていて遭遇する猫の多さに驚く。往来を闊歩する猫はもちろん、運が良ければ集会中の猫軍団にお目にかかることも。拙著『商店街のネコ店長』の表紙を飾る小太郎も、この猫商店街の一員だ。
ここでは写真を撮っていると、おばさんたちがニコニコと話しかけてくれる。そして、もれなく言う。
「小太郎にはもう会った?」
「小太郎美人よ~」
小太郎が看板を張るのは「斉藤食料品店」だ。あっちにもこっちにも、猫。店には複数の猫店員が働いている。というか寝ている。
件の小太郎は、見ればすぐにわかる。整った目鼻立ち、モフモフの毛並み、そして人気者の証しともいえる、白いソックスをはいている。赤い鈴がよく似合う。みんな「美人、美人」と言う。しかし、小太郎という名の通り、オスである。男の子なのである。